echnical Experimentation & Data Acquisition Standards
本書は、Sensloop Lab において実施されるすべての実験・分析・記録活動について、
安全性・再現性・データ信頼性を確保するための基準を定義するものです。
本研究方法論では、実験手順、装置基準、データ処理原則を明確に示します。
1. 実験安全規則(Safety Protocol)
Sensloop Lab では、リチウムイオンバッテリーおよび大電流装置を扱うため、
以下の安全規則を遵守します:
- すべての実験は絶縁作業台の上で実施します。
- 防火服、防火手袋、絶縁靴、保護メガネを着用して作業を行います。
- 分解作業の前には電圧測定・内部抵抗(IR)を確認し、 危険がある場合はバスバーを外して安全を確保します。
- 充放電中は、温度・電圧・電流をリアルタイムで監視します。
- 発熱やガス発生など異常兆候が見られた場合、即時中断して安全措置を取ります。
- 高温・大電流条件のテストは、消火装置を備えた環境でのみ実施します。
2. 実験装置および環境基準(Equipment Standards)
正確なデータを得るため、Sensloop Lab では以下の装置を使用します。
● 測定・充放電装置
- Neware 20V 5A 充放電装置
- ZKE EBC-A20 放電装置
- NI ベース DAQ(電圧・温度ロギング)
- 産業用 IR 温度センサーおよびサーモグラフィカメラ
● 組込み・制御装置
- Arduino Mega 2560
- ESP32 / Raspberry Pi / Jetson Nano
- DC モータードライバ(BTS7960)
- MQ シリーズガスセンサー
● 環境条件
- 実験は可能な限り 25°C ± 3°C の室内環境で実施
- 温度変化テストは別区画にて管理し、記録
3. データ収集基準(Data Acquisition Protocol)
実験結果の信頼性と再現性を確保するため、以下を遵守します:
- すべてのデータはリアルタイムロギングシステムに保存
- 同一実験は 最低 2 回以上繰り返し実施
- Raw データは可能な範囲でブログ上に公開
- グラフ・表は 原本データのみを基に作成
- 測定誤差は ±1〜2% を許容範囲とし、必要に応じて補正値を記載
4. 分析方法論(Data Analysis Method)
データ分析は次の原則に従って行います:
- CC/CV 充電曲線、放電曲線、内部抵抗(IR)変化グラフの提示
- C-rate による効率比較
- メーカー仕様書との乖離分析
- 実測データに基づく結論のみを採用し、誇張・推測は排除
- 不良・異常データは「原因不明」「推定」と明確に区別して記録
5. 再現性の確保(Reproducibility Standard)
Sensloop Lab の実験ログは、以下の方法により再現性を保証します:
- 条件(電圧、電流、カットオフなど)を明確に記載
- 回路接続・装置設定は写真または図で提示
- テスト環境(温度、装置モデル名)を明確に記録
- 同一実験を誰でも実施できるよう、手順を段階的に公開
6. 研究目的(Purpose of Methodology)
本研究方法論の目的は次のとおりです:
- バッテリー・組込み実験の標準化
- 実務エンジニアが利用できる定量データの提供
- 安全性を確保した実験環境の構築
- 技術コンテンツの信頼性と透明性の向上