ボッシュ 18V バッテリー修理|サムスン 18650-30Q セルの復元プロセス

こんにちは、Sensloop Lab です。

本日は、他の研究員の方から バッテリー再生(リビルト)の依頼をいただき、
Bosch 18V 5.0Ah リチウムイオンバッテリー 2個が入庫しました。

ここから作業工程を順番に紹介していきます。

🔍 入庫した Bosch 18V 5.0Ah バッテリー

作業台に置かれた Bosch 18V バッテリー2個。
外観を見ると、現場で長期間使用されていたようで、かなりの粉じんが付着していました。

「作業台の上に置かれた Bosch 18V 5.0Ah バッテリー2個」

🔧 ケース分解 & 事前電圧チェック

まずケースを分解し、内部の電圧を測定しました。

測定結果:約 8.5V(過放電状態)

LEDインジケーターが点灯しなかった原因は、
この深い過放電によるものと思われます。

「テスターで Bosch 18V バッテリー内部電圧 8.6V を測定している様子」

🔥 損傷セルの分離と交換準備

ニッケルタブを外し、ショート防止に注意しながらセルを1本ずつ分離しました。

10本中、正常電圧を維持していたのは約4本のみ。
残り6本は完全に放電し寿命状態でした。

「Bosch 18V バッテリー内部のセル配置と損傷した接続部」
セル番号状態推定電圧 (V)備考
1正常2.7 V問題なし
2正常2.8 V問題なし
3正常2.6 V問題なし
4正常2.7 V問題なし
5不良1.0 V 以下完全放電(寿命)
6不良0.0〜1.0 V完全放電(寿命)
7不良0.0〜1.0 V完全放電(寿命)
8不良0.0〜1.0 V完全放電(寿命)
9不良0.0〜1.0 V完全放電(寿命)
10不良0.0〜1.0 V完全放電(寿命)
「Samsung 18650 30Q セルと Bosch バッテリー用セルホルダー」

今回の交換には Samsung SDI 純正 INR18650-30Q(2950mAh / 15A) を使用します。


左側が新しいセル、右側がセルを固定するための白いスペーサー(セルホルダー)です。


📄 使用セルスペック(Samsung 30Q)

項目
定格容量2950 mAh
定格電圧3.6 V
カットオフ電圧2.5 V
最大連続放電電流15 A

※ 25R より瞬間出力は控えめですが、容量とサイクル寿命が安定しており、電動工具用には非常に相性が良いセルです。

「Samsung SDI 30Q データシート主要仕様」

🛠️ 新セル組み立て & 電圧バランス確認

Bosch 18Vは 5S2P(直列5 × 並列2)構成なので、

同じ構成で新セルを組み上げました。

各セル電圧は 3.68V ±0.01V に揃えてバランス確認を実施。

バランスが崩れたまま初回充電を行うと、

過電圧 → セル劣化につながるため非常に重要な工程です。

セル交換後の Bosch 18V バッテリー電圧を測定している様子

⚡ ニッケル スポット 溶接 & 最終点検

ニッケルストリップは3点スポット溶接で固定しました。
(耐久性を優先して 3点を推奨しています。)

「Samsung 30Q セルを 5S2P 構成でスポット溶接した状態」

その後、
• 各バランス端子の電圧
• 総電圧 約18.4V
• LED残量インジケーターの動作

すべて正常であることを確認しました。

「LEDゲージが点灯し、正常復旧を示す Bosch 18V バッテリー」

🧰 組み立て & 清掃

露出部はすべて絶縁テープで保護し、ケースを再組立て。

内部にかなりの埃が残っていたため、

IPA(アルコール)で全面クリーニングを行いました。

「Bosch 18V バッテリーケースを IPA で清掃している様子」


追加の安全対策として、カプトンテープで再度絶縁処理を行い、その後組み立て作業を進めます。

最後に電圧を再測定し、18.4V 正常復旧を確認して作業完了です。

📊 セル電圧バランス結果(リビルド後 / 全セル 3.68V)

セル番号測定電圧 (V)判定
13.68 V◯ 正常
23.68 V◯ 正常
33.68 V◯ 正常
43.68 V◯ 正常
53.68 V◯ 正常
63.68 V◯ 正常
73.68 V◯ 正常
83.68 V◯ 正常
93.68 V◯ 正常
103.68 V◯ 正常
「最終測定で 18.4V を表示した Bosch 18V バッテリー」

✅ まとめ

Bosch 18V バッテリーは構造がしっかりしており、
BMS(保護回路)も信頼性があります。

しかし長期間の使用や深い放電を繰り返すと
セルバランス崩れ → 出力低下が発生しやすくなります。

今回のリビルトでは、
• Samsung 30Q へセル交換
• BMS と残量ゲージの正常化
• フル充電時 21V 付近までの電圧復元

を達成しました。

リチウムイオンバッテリーのリビルトでは
「電圧バランス」「絶縁処理」が最も重要です。

Sensloop Labでは今後も様々な電動工具バッテリーの
リビルト・テスト事例を紹介していきます。

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